ご挨拶

代表理事の大室と申します。

私が当協会を設立したきっかけは、ある古民家の解体を目の当たりにした事でした。重機を使い無造作に、何のいたわりの気持ちも無く壊されてゆく姿を見た時に、自分の家でも無いのに目が潤んできたのを覚えています。

一度失ってしまった歴史は、お金では買い戻せません。古民家や古材(こざい)は「宝物」です。
失ってしまってからでは再生や再利用する事は出来ません。

戦後から高度経済成長期を経て現在に至るにあたり私達は、「便利」「大量生産」「大量消費」「大量廃棄」「使い捨て」という長い目で見ると負の文化を得、「古き良き伝統や文化」「先人の知恵・技術」「再利用可能な木材・瓦・土壁等の伝統資材」「古民家等の伝統建築物やそれらからでる古材」「もったいないという日本人の心」を失いました。

負の文化に加え、日本の住宅の短命さも手伝い、森林伐採速度の加速、地球温暖化等地球環境に悪影響を及ぼすに至っております。
目先の利益や便利さだけが豊かさではありません。

まだ間に合うと思います。
日本の文化や伝統を守り伝えて行くこと、古民家の保全や伝統技術を伝承してゆく事、そして再利用可能な物は再利用し地球環境に配慮することこそ、人の心を育てて行き、本当の豊かさやゆとりに繋がってゆくと信じています。
未来の子供たちのために今私達が出来る事。
「循環型社会」「持続可能な社会」を取り戻すべく活動して参りたいと思いますので、是非、一般社団法人青森県古民家再生協会へのご理解・お力添えを宜しくお願い申し上げます。

 

一般社団法人青森県古民家再生協会
代表理事 大室 幸司